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February 2009

February 28, 2009

祐飛君トップ

東京宝塚劇場花組「太王四神記」-2&大空祐飛宙組トップ内定

 いやー。「太王四神記」の大空祐飛ホゲがかっこいいし、扱いもよくてうれしいなあ、と思ってはいました。これが、「2番手がおいしい」という宝塚の法則か、と思いつつ、それにしても、陰のある敵役&鎧コスプレ&長髪が彼女にぴったりで、「小池センセーありがとー」と。

 それが、まさか、トップ就任とは!!!! 願ってはいたけれど、心のどこかでまあ、無理かな、と思っていたんです。

 最初っから高い評価を受けていなくても、それどころか、なんとなく理不尽な扱いを受けても、急に新しい環境に置かれても、くさらずに、精進を続けていれば、認められる日が来ることもあるんですね(涙)。世の中にはちゃんと見ていてくれる人もいる、むくわれることもあるんですね……。
(いや、そこには運とかオトナの事情とかいろいろあるとは思うけどさ)
 「私もくさらずにがんばろう」と思わせてくれるニュースです。

人生で必要な知恵はすべて宝塚から学んだ!

 本当に、このブログのタイトルにぴったり(笑)。

 ちなみに、花組公演の祐飛君がらみで言うと、前の項では書き忘れた名シーンがもう一つ。それは愛のない結婚を決めたホゲとキハの場面。浮かれた宴席のなかで、氷のように無表情な二人が歌っている。この2人って、どっちかというと表情に乏しく、特に桜乃彩音はそれが欠点でもあるのですが、その2人が冷たい目をして愛のないデュエットを歌うこの姿は、ゾクゾクするほど美しい! この2人、今回のような特殊な環境下においては、芸風合うかも、ということを教えてくれた小池氏の慧眼に感謝です。まあ、トップ娘役と二番手ですから、この組み合わせがあるのはそう不思議なことではありませんが。

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February 15, 2009

どうなる? 花組路線男役

東京宝塚劇場花組「太王四神記」-1

 ああ……。本当は芝居も映画もいろいろ観たんですが……。「チェ28歳」(So What? と言いたくなる映画)、「悲夢」(キム・ギドク×オダギリ・ジョー)、「マルグリット」、宝塚では、激怒の「忘れ雪」はもう古いから書かないとしても、月の「夢の浮橋」も感想書いてない……。でもとにかく一番新しいのを。

「太王四神記」
 なかなかの良作。しかし、チケットはあまり売れていない。うーん…。そう悪くはないけど、「宝塚度」が低いからなかなー。宝塚度が低くても、海外ミュージカルならけっこう入るみたいだけどねー。

 で、私はどうだったかというと……。いや、さすが小池先生。絵作りは洗練されているし、衣装もいいし、おバカなセリフもない。そして、何より、多くの生徒を上手く使っている。さらに、今の花組のトップ男役、娘役、二番手にちょうどいい設定。当然平均点をはるかにクリアーしているんだけど、贅沢言うといま一つもの足りない。なぜだろう。
 まず、宝塚っぽいくさみ(言い換えると「ちょっと恥ずかしくなっちゃうようなかっこよさ」)があまり出ていないからかなー。コスチュームプレイとはいえ、あまりクサイ話じゃないんですよね。もちろん、「スカーレット・ピンパーネル」だってそれほど「クサい」話ではなかったわけだけど、あれは音楽もよかったし、話がもう少し情熱的だったというか……。そう、今回の神話の話は御伽噺(=ファンタジー)なんで、ちょっとお子ちゃまっぽくて、自己投影がしにくいんですよね。これは原作ものだからしょうがないけど。でもって、ファンタジーとしてはやや詰め込みすぎでわかりにくい。最初の神話の部分とか、神器の意味とか、たぶん全ウン十話のドラマだったらいいんだろうけど、あの作品では中途半端。あと、黒朱雀のの意味付けもよくわからないし……。まあ、そのへんはわからなくてもあまり気にはならないつくりになっていましたが。あとは、覚えやすいメロディーラインの歌がないのも残念。

で、今回ベストアテガキ? と思うくらい、役がキャラに合っていて、衣装もかっこよかった主要3人。

真飛聖(タムドク)……今回あらためて思ったけど、発声が好き。声に「主役オーラ」があるように思ったんだけどそれって単にマイクのボリュームの問題? 普通に美形なのでコスチュームは映える。白い王子様キャラは彼女が得意とする役の一つ(個人的には、一度ワルいまとぶんが見たい。最近そういう役全然ないんだもん。トップだとなかなか難しいと思うけど)。ただ、受身っぽくていつも苦悩している役だったのでやや損をしているかも。もう少し「この人スゴイ」というエピソードを書いてあげてもよかったのは?

大空祐飛(ヨン・ホゲ)……彼女もややアニメっぽいコスチュームはばっちり。しかも、もともとおトクでさらにキャラに合っている「影のある敵役」。カッコイー! 盾の群舞のセンターで出てきたときは、「こんなかっこいいシーンのセンター!!よかったねー」としみじみ。あと、フィナーレの黒いスーツの群舞でセンターのところもあり、ファンはまた涙……。ここまでやらせてもらって……。ただし、フィナーレ最初の銀橋のソロの衣装は最悪。この作品の衣装の中で一番ヒドイと思う。

桜乃彩音(キハ)……こういうのが似合うんだ。彼女。今までのトップ作品で一番よいかも。彼女、「可愛い」とか「娘っぽい」感じだとどうもダメなんだね。今回の役は、彼女の硬さが心を閉ざしているという役にぴったり合ったみたい。そう、彼女って自然なセリフ回しとかがあまり得意でないし、風貌にも特徴があるから、現代モノが似合わないんだな。衣装で言えばワンピースとか普通の服が似合わない。その代わり、こういうプリンセス天功系コスは似合う。あ、ただ、歌はだいぶ上手くなったと思う。

<そのほかに気づいたおトクな方たち>
真野すがた……同期の華形ひかるに比べると、出番は少ないんだけど、出が印象的で、おトク。愁いを帯びた武将?で、真飛に助けられ忠誠を誓う。耽美なロン毛も似合う。やはり、こういうアニメチックなコスチュームものだと背が高い美形は映えるんだな、と感心。一番印象に残っているのは、戦闘シーンとかではなく、寝そべって水パイプ?をくゆらしている登場シーンなんですけど(笑)。なんか全然強そうじゃありません。でも、キレイだからオッケーです。それに比べて華形ひかるは、キレイはキレイだし、セリフもたくさんある役なんだけど、平たく言うと、悪者の手下なのでちょっと小物感が出てしまっている。うーむ。まあ、せっかく見張り役を務めているうちにヒロインを慕うようになってしまい、最後は彼女をかばったせいで殺される役なんだから、もっとベタに、彼女に向けられた剣を代わりに受けて、彼女の腕の中で、告白して死ぬ、ってな設定にしたらよかったんでは。ちなみに、フィナーレのはじけるダンスになると、今度は華形のほうががんがん発光してきました。

<うまい、ぴったり。でもこれでいいのか……>
壮一帆……悪役しかもオヤジ。しかし、これが上手いのだ! 正直今まで彼女は技術はあるんだけど、どうも芝居の雰囲気に乗れていない感じがしてたんだけど、今回のように鬘とか衣装とかで全く別の人間を作りこんでしまうとこんなに違和感ないとは……。やっぱり華奢すぎる体とかお嬢さんっぽい顔が普段(スーツなどのとき)いつも芝居をジャマしていたのかな。

愛音羽麗……またしても女役。セリフの声がきれいだった。女役が続いて高い声にも慣れた? でもやっぱり次は男に戻るのかしら。しかし、こんなにも女役が多くてよいのでしょうか。

未涼亜希……こちらも声がいい。セリフも歌も。彼女の明瞭な語りは今回の芝居のクオリティの向上にかなり貢献していると思う。しかし、役が「語り部」の長老役。これも若手路線の役ではないよね。

というわけで、1番手は白い二枚目、2番手は影のある敵役(しかもかつては主人公の親友)、とここまでは黄金パターンの役付なんですが、3番手~5番手の男役が「敵役長老」「娘(女)役」「語り部役の長老」ってどうよ!?もしかして、花組の路線は一気に、真飛~大空、のあと、華形or真野(この2人も、どちらが路線として残るのか、そもそもどちらか1人でも残れるのかなんとも言えませんが)~朝夏と来るってことか……と深読みしてしまいました。あ、そういえば、退団ですけど、華形の一期下の望月理世も女役でしたね。全くどうなってんだか。

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February 02, 2009

日本アカデミー賞って……

「おくりびと」(2008 日本)

監督:滝田洋二郎

主演:本木雅弘 広末涼子

日本映画あまりみないんですけど、たまには。
アカデミー賞の外国語映画賞部門にノミネートだし、今月末の日本アカデミー賞でも賞をけっこうとって話題になりそうな気配もあり、見逃していたので、「凱旋ロードショー」とやらを映画サービスデー価格1000円で観る。
うーん、期待しすぎたせいもあるけど、そんなによいとは思えないなあ……。この映画。去年公開だったら、「ぐるりのこと。」や「歩いても歩いても」のほうがずっといい。しかし、日本アカデミー賞の作品賞ノミネートにこの2作品がないので、「あれ? 一昨年だっけ?」と思ってしまった。各賞のリストを見ていったら、主演女優賞と助演女優賞に作品名が挙がっていて、やはり、同じ年度だったのだ。うーん。そうなのか。そもそも日本映画はあまり観ないので、えらそうなことはいえないけど、私の評価とここまで違うとは……。

で、「おくりびと」です。
なんというか、映画の世界観が作れていない感じがした。ぐいぐいと引き込まれる一つの完結した世界がない、というか。
いや、テーマはおもしろいと思うんですよ。納棺師。アカデミー外国語賞ノミネートの最大の理由はこのへんかな。極めて日本的。
主人公が仕事する数々の普通の人々の葬儀エピソードも面白い、面白いけど、葬儀で泣かせるのって、ちょっと安易というか、ズルイ。しかも、その手を何度も使いすぎ。
仕事で行った見知らぬ人の死、知っている人の死、肉親の死、それぞれのエピソードがバラバラな感じがした。どのエピソードにも「泣き」ポイントがあるんで、けっこう泣かされるんですけどね……。
「泣き」ポイントで言えば、彼自身は死ぬ役じゃないけど、笹野高史のエピソードはちょっとやりすぎというか蛇足だと思った。「観客の感動をもう一押し」と欲張ったんじゃないか? 笹野自身はいい味だしてるけど。
なんと言ってもテンション下がったのが広末涼子演じる主人公の妻。これが全然魅力を感じられないんですよね。非常に浅い人物になっている。子供っぽい。主人公は成長するのに、妻の方はあまり成長が見られない(まあ、最後には主人公の仕事ぶりを見て、それを認めるんだけど)のはどうかと思いますよ。「ああ、もっとマトモな女性を見せてくれ!」。
仮に、監督が、「妻は理解がなくて幼いキャラでいい」と思っていたとしても(私はそれはどうかと思うけど)、演技があれでよかったとも思えないんですが……。などと思っていたら、彼女が日本アカデミー賞優秀主演女優賞でびっくり(つまり、最優秀主演女優賞にノミネート)。ますます理解不能だ。(地で幼いんじゃ、と錯覚するくらい演技が上手いってことで評価されてたりして)

本木雅弘はよかったと思う。上にも書いたとおり、納棺師という仕事を通して成長していくのが伝わってくるし……。あと、脇では納棺の会社の上司の山崎務と事務員の余貴美子がいい。この2人は出てくるだけで、人生が感じられるというか。本木雅弘とこの2人が揃う会社のシーンは密度が濃かった。

というわけで、駄作とは言いませんが、これだけ高い評価を受けるのはちょっと。

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