希望・絶望・渇望~
赤坂ACTシアター雪組「カラマーゾフの兄弟」-1
久しぶりの更新です。前回の更新が雪組で、2ヶ月空いての更新がまた雪組。もしかして雪組ファンなのか? 別にそういうわけではないんです。その間も宙組とか月組とか見ているんですが……。
でも、書かずにはいられない「カラマーゾフの兄弟」。近来稀に見る良作でした。正直、こんなにいいとは思ってなかったよ! サイトー先生は、私のなかで、「期待できる演出家」に昇格決定! いや、「エル・アルコン」のときから、「話は収拾がついていないけど、絵面はカッコイイ」と一部評価はしていたんですが(すみません。エラソーに)、今回は話もうまくまとまっていたよ!! 「カラーマーゾフの兄弟」と聞いて、「なんでまた……。ヅカの舞台にするのは無謀だ!!」と誰もが危惧していたと思うのですが、上手い具合に単純化して分かり易くなっていました。
原作(実は読んだことなく、これを期に光文社古典新訳文庫で読了)で、私が「????」と思った、「大審問官」とか、イリューシャ・コーリャなど子供たちの話がバッサリ切られていたし、日本人が苦手な「神」の話も、あまりくどく語らず、「イワンが神を信じないのは共産主義者だからなんだね」と思えば済むようになっていたので、「宗教ってわからない!!」と悩まずにすんだかと。正直、原作もこれくらい単純だったら21世紀の日本に生きる凡人の私にもわかりやすかったのに……と思いました(ドストエフスキーさんごめんなさい。1人の人間がいろいろ矛盾した面を持っているんでしょうが、どうも登場人物の行動が突飛かつ複雑すぎて理解しづらいんですよね。あと、エピソードが多すぎて消化不良気味……。亀山先生によれば、書かれなかった第二の小説の導入と考えられるところもあるんだそうですが)。
ただし、単純化しているとはいえ、人間関係と大きな筋は原作どおりなので、原作読んでないと初見では人間関係を追うのがちょっと大変かな?とも思いました。意外なほど、原作に忠実なんですよね。「大審問官」がキーワードとして出てきたり(しかし位置づけが全然違うんじゃ)、スネギリョフという名前が出てきたり……。
あと、よかったのが音楽。ま、「しょーどー(衝動)、しょーどー」の歌詞はどうかと思いましたが、この「しょーどー、しょーどー」の歌と「カテリーナ、カテリーナ」の歌が「動」と「静」2つのテーマソングとして、歌詞を変えて繰り返し使われているのがとても効果的。
冒頭の裁判のシーンは法廷に居並ぶ人のダンスとこの「動」の方のテーマが相まって、カッコよかった。「面白いものが始まりそう!」とワクワクしました。
フィナーレは……(笑)。斉藤センセー、おタク魂爆発!って感じ? かなり力の入ったフィナーレだと思いました。でも、暗い芝居のときこそ、フィナーレではじけてほしいので、フィナーレは強力なほうが私は好き。今回のように、芝居では抑えられていた「おタク魂」の発露があるのもいいんではないかと……。しかし、もしかして、サイトー先生は、フィナーレで、娘役に毛皮の帽子(あれなんていうんですかね。メーテル帽?)とミニスカで踊ってもらいたくて、ロシアものの芝居をすることにしたのでは、と一瞬思ってしまったほど趣味に走ったフィナーレでしたね(笑)。まあ、猫耳がついていなかっただけよし、としなければいけないのかも。
もちろん、この作品が成功した理由のもう一つは、生徒の持ち味にあった配役だと思います。っていうか、この演目、今の雪組に本当にぴったり。
で、その生徒さんについては、また後日。
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