白洲次郎はかっこよかったか?
東京宝塚劇場宙組「黎明の風」「Passion 愛の旅」 -1
うーん。久しぶりの投稿である。実は、宙組はもう2回目。1回目の観劇があまりに低調で書く気分にならなかったのだ……。2回目の今日(もう昨日だが)は、もう少し冷静に見ることができたと思う。で、感想。とりあえず、「黎明の風」で疑問に思ったことを少しだけ。
なぜ、この作品がよくないのかな、と思っていたけど、白洲次郎の何がかっこいいかストーリー的にはっきりしないところが一番いけないんじゃないでしょうか。
白洲次郎が「すごい」ということは、吉田茂とか宮川君の口からは語られるけど、どうスゴイのかがあまり出てこない。辰美君とのエピソードは割といいけど、それはあくまで辰美君との男の友情。本当はマッカーサーへの土下座シーンがクライマックスになるはずだったんだろうけど、マッカーサーは白洲の土下座に改心するまもなく、解任されてしまうし。だいたい、わかり易い敵が出てこないのもいけないんだと思う。バカな帝国軍人とか日本の政治家とか、日本人をバカにするGHQの将校とか(反日的なグルーパー中佐ってのが出てくるけど、あまり偉くないのでパワーはない)。そういう人に対して、白洲次郎がはっきりと、モノを言うシーンがあればまだよかったのでは。うーん。そもそも、敵であるはずのマッカーサーが「いい人」なのが無理があるのでは……。
と、問題山積み。
こういう華で誤魔化せないお話をやる場合は、とにかくストーリーが説得力なかったらしょうがないと思うんですよね。だいたい下級生チェックしようにも、あの頃の軍服やらモンペじゃあ……。GHQの制服もいただけないし、日本の政治家グループのスーツもそれほどカッコイイわけじゃないし……。コスチュームがよくないと、ストーリーはそっちのけで下級生チェック(これ自体は宝塚のお芝居ではよくあること)しようにもイマイチ盛り上がらないのだ(せめて、戦前でも戦後でもいいから、無意味なダンスパーティを入れてほしかったな……)。
とはいえ、白洲次郎ってどんな男だったんじゃい、と「風の男 白洲次郎」(新潮文庫)を買って読んだら、なかなかおもしろかったです。劇中のエピソードもかなりこの本にあった。確かに、白洲次郎は魅力的な題材だと思う。
でも……。石田センセは、白洲次郎がすごかったのは、敗戦後の日本を救ったことだ、という話を作ったわけだけど、白洲次郎は講和に関わったかもしれないけれど、彼がいま見てもかっこいいとしたら、それは、独立を成し遂げたからではなくて、彼個人が国際人で、常に一本芯が通っていて、どんな相手に対しても(それはマッカーサーだろうと日本の首相だろうと)原則を曲げなかったからなんだと思うけど……(ついでにいうと、ビジュアルがよくて、お金持ち)。
「白洲次郎かっこいいぞ」のシーンはうまい!と思いましたけどね。
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Comments
私は22日に観てきたのですが、その前に新人公演を観ました。
新公は、若くて勢いがあってそれだけで良かったのですが、本公演を観ていて、「白洲さんって、そんなに凄い人だったの?」と疑問が湧きました。宝塚流の誇張があるのかな?とか、シビアな本題なので、宝塚的華やかな舞台で演じるには疑問だわ~とか色々考えているうちにつまらなくなりました。
Posted by: kaoriya | April 23, 2008 at 09:14 PM
コメントありがとうございます。新公ご覧になったんですか。うらやましいです。
白洲次郎は偉人的な人ではないので、若くて奔放な頃の話と正子との関係にフォーカスした方がよかったかもしれないなあ、と思います。
Posted by: ABE | April 26, 2008 at 02:29 AM