「サニー」は男性映画?
「サニー 永遠の仲間たち」
2011年韓国映画
監督:カン・ヒョンチョル
出演:ユ・ホジョン、シム・ウンギョン、カン・ソラ、コ・スヒ、ホン・ジニ
ここ一週間ぐらい、ツイッター上での映画「サニー」礼賛がすごい。「今年度ベストワン決定」とか「もう一回見たい」とか……。まあ、韓国映画関係のアカウントをフォローしており、公開前から、試写会見た人の声がだいぶ流れていたんだけど……。
なにしろ私もほぼ同世代なもので、期待に胸ふくらませて観ました。そうしたら、正直ちょっと期待外れで、なぜここまでみんな盛り上がっているのか、という疑問がふつふつとわきあがり……。さらには、男性観客による「男の僕でさえこんなに感動するんだから、この年代の女性が観たらさぞかし」「この世代の女性にはおススメ!」的なコメントが散見されるにつれ、もう黙っていられなくなりました。
これってそれほど女子に受ける映画じゃないと思うんだけど……。
もちろん、これはたった一人の個人の感想だけど、でも、日本における女子文化のそれなりの大きさ(もちろんマジョリティーではないけど)を考えると、私だけ、というほどでもないんじゃないかと思うわけです。さらに、統計をとったわけじゃないんだけど、「感動した」とかなり熱くツイートしている人には、男性がけっこう多いように見えるし。
特に女子校出身ならど真ん中だろう、と言われていることについて言えば、かなり違うんでないかなーと……。
いや、基本的にサービス精神にあふれているし、楽しい映画です。流れる洋楽は日本でも流行ったものでしょう。お隣韓国の80年代を描いたという意味ではすごく興味深い。
でも、女子校モノとして見ると、日本人女子が共感を覚えるところは実は少ないんじゃないのではないかと。韓国女子が観るとどうか、というのは正直よくわからないし、韓国で大ヒット、普段映画館に行かない40代女性が見に行った、と聞いているので、心に響くものは大いにあったのでしょうが。
あくまで、一人の40代元女子高生(笑)として言わせてもらうと、描かれていた彼女たちのスクールライフは日本の「女子高文化」とはかなり違うものだったと思う。私はむしろ、「男子」の考えた「女子」モノ、と感じた。漫画で言えば、少女漫画ではなく、少年漫画的な作品だと思う。登場人物は、女子の姿はしているけれど、中身は男の子、っていうか……。
で、何が違うのか……。これは、自分でもまだうまく説明できないけど、なんというか、女子的な価値観がない、というか……。女が観た女の子の輝きってのが感じられないってことかな。そう、女が惚れる女がいない、というか……。たとえばリーダーの「ハ・チュナ」は確かに人望はあるしかっこいいけど、単なるリーダーシップのある「男」キャラではないか? そして美少女、「チョン・スジ」は、悪い子じゃなかったけど、男にウケそうな美少女キャラの枠の中からはみ出していなかったし。成長したイム・ナミ(主人公)もある意味、男に都合のいい女だし……。
まあ、もっと卑近な例を挙げると、グループの主な活動が、他の学校のグループとの「決闘」というのにも違和感が(笑)。やっぱりこれ少年漫画だよね。
この映画は「男性目線で想像で作った女性映画」だよねー。男性監督だから女性映画が作れないというつもりは全然ないし、男性目線で女性が出てくる映画を作ることが悪いわけでもないけど。
ただ、この映画については、前評判やらなんやらで、自分の世代の映画だ、と思い込んで見てしまったし、周りからもそういう映画だと言われているので、「私はそれほど共感しませんでしたよ」と。
もちろん、韓国人なら「あるある」と思えるところが私たちには欠落しているわけで、そういう意味では限界はあると思うし、韓国人だったら、もっと共感できたとは思う。
いや、楽しいし、興味深い映画です。ただ、ここまで大騒ぎになるのには違和感。


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